〒350-1308 埼玉県狭山市中央三丁目6番G-206号
株式会社は、当会社の株式を消却することで発行済の株式数を減少させることができます。株式の消却とは、当会社の発行株式を消滅させることです。
消却できる株式は、自己株式(発行会社が保有する自社株式)に限られます。そのため、株式会社が自己株式を保有していない場合は、当会社の株主から自社株式を取得する自己株式の取得手続きをした上で、株式の消却手続きを行うことになります。
【株主との合意による自己株式の有償取得】
自己株式の取得方法はいくつかありますが、中小企業の場合は、特定の株主と合意の上、有償で取得するのが一般的です。
株式会社が特定の株主と合意の上、自己株式を有償取得するには、最初に株主総会の決議や取締役会の決議(取締役の決定)で、取得する株式の数・取得対価の内容・総額等の一定事項を定めます(会社法156条・157条)。
上記内容の決議を行う株主総会の開催前には、原則として、株主に対し、売主追加請求権を行使できる旨の通知をしなければなりません(会社法160条2項)。売主追加請求権とは、株主の保有する株式を株式会社に売却できる売主の立場に、自己も加えたものを株主総会の議案とする旨を請求できる権利のことです(会社法160条3項)。
取締役会決議(取締役の決定)後、当決議(決定)で定められた自己株式の取得事項を、売主側に当たる特定の株主に通知します(会社法158条1項)。当通知を受けた株主は、譲渡する株式の数を明らかにした上で、保有株式の譲渡の申込を行います(会社法159条1項)。当申込がなされることで、株式会社側は株式の譲受を承諾したものとみなされ(会社法159条2項本文)、当株式を取得することになるのです。
株主との合意による自己株式の有償取得を行う際、株主に対して金銭等の交付が行われるため、会社の財産が流出することになります。会社の財産が流出することにより、会社債権者が不利益を被るケースも出てくる可能性があります。そのようなことから、会社債権者が不利益を被らないように、株主との合意による自己株式の有償取得には、財源規制が設けられています(会社法461条1項②③)。
なお、株式会社が自己株式を取得した場合、登記事項である発行済株式総数に変更は生じないため、登記手続きをする必要はありません。
【株式の消却の手続き】
株式会社が株式の消却を行う場合、決議機関で消却する株式の数を定める必要があります。株式の消却の決議機関は、取締役会を設置している会社であるか否かで異なります(会社法178条)。
【株式の消却の決議機関】
会社の取締役会設置の有無 | 決議機関 |
取締役会設置会社 | 取締役会の決議 |
非取締役会設置会社 | 取締役の過半数の決定 |
株式の消却の決議後、消却対象の株式の失効手続きを行います。株式の消却の効力は、株式の失効手続きが完了した日に生じるとされています。株式の消却の効力発生時期である株式の失効手続きの完了時期は、株券発行会社であるか否かで、その内容が異なります。
【株式の消却の効力発生時期】
会社の株券発行規定の有無 | 効力発生時期 |
株券発行会社 | 発行している株券を破棄した上、株主名簿上の記載・記録を消去した時点 |
株券不発行会社 | 株主名簿上の記載・記録を消去した時点 |
株式の消却を行った場合、発行済株式総数が減ることになるため、その旨の登記手続きをすることになります。株式の消却の効力発生日より2週間以内に、変更後の発行済株式総数と変更年月日を登記しなければなりません。
株式の消却の登記申請手続きを行う場合、取締役会議事録(非取締役会設置会社の場合は、取締役の過半数の決定を証する書面)を申請情報と併せて提出します。当登記の申請手続きの際に納付する登録免許税額は、1件の申請につき3万円です。
また、株式の消却を行っても、当然に資本金の額が減少するわけではありません。もし、株式の消却時に資本金の額も減少させたい場合、減資の手続きも併せて行う必要があります。
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