会社の設立手続きをする際、会社の根本規則ともいえる定款を作成しなければなりません。設立する会社が株式会社である場合、その設立予定の会社の本店所在地を管轄する公証役場において、作成した定款の認証を公証人から受ける必要があります。

公証役場で公証人による定款認証を受ける際、定款を書面で作成することもできますが、電子定款(電磁的記録による定款)を作成することも可能です。

株式会社の設立手続きをする際、電子定款を作成して定款認証を受ければ、4万円の印紙税がかからないというメリットがあります。そのため、電子定款を作成して定款認証手続きを行うのが通常です。

 

ⅰ.電子定款認証の手続きの流れ】

 

電子定款認証の手続きは、商号(社名)、目的(事業内容)、本店等の会社の主要事項を決定して定款を作成した後、認証を受ける公証役場(設立予定の会社の本店所在地を管轄する公証役場)の公証人と連絡を取りながら手続きを進めていきます。

当事務所がお客さまより、株式会社の設立手続きを受託させていただいた際には、以下の流れで電子定款認証の手続きを行います。

 

【1.認証を受ける予定の定款の内容の事前確認】

認証を受ける公証役場の公証人に作成した定款の内容を確認してもらうため、作成した定款の原案をメール・FAX等で送ります。

 

【2.手続き書類へのご署名、ご捺印および書類お預かり】

作成した定款の内容を公証役場の公証人に確認してもらって問題がない場合、発起人の方に定款認証手続き用の委任状(定款の内容を合綴したもの)へご署名、ご捺印していただくとともに、印鑑証明書をお預かりします。(その際、会社設立の登記に必要な書類のご署名、ご捺印および書類のお預かりも同時にさせていただきます。)

 

また、2018年(平成30年)11月30日より、定款認証に関する公証人法施行規則が改正され、法人成立時の実質的支配者に関する一定の情報(氏名・住居・生年月日・国籍等と暴力団員等該当性)を、定款認証手続きを行う際、公証人に申告しなければならなくなりました(対象法人は、株式会社および一般社団法人、一般財団法人です。)。

【※実質的支配者について】

実質的支配者とは、法人の事業経営を実質的に支配できる関係にある個人の方のことを言います。具体的には、以下に該当する方が実質的支配者になります。

  1. 設立する会社の議決権の総数の50%を超える議決権を直接または間接に有する自然人となるべき者
  2. 1に該当する者がいない場合、設立する会社の議決権の総数の25%を超える議決権を直接または間接に有する自然人となるべき者
  3. 1および2のいずれにも該当する者がいない場合、出資・融資・取引その他の関係を通じて、設立する会社の事業活動に支配的な影響力を有する自然人となるべき者
  4. 1・2・3のいずれにも該当する者がいない場合、設立する会社を代表し、その業務を執行する自然人となるべき者(例:代表取締役)

 

【※具体例】

株式会社の発起設立の手続きを行うケースにおいて、出資者である発起人の方が1名である場合、当発起人の方が、設立する会社の議決権の総数の100%の(50%を超える)議決権を直接に有することになるため、当設立会社の実質的支配者になります。

 

上記の改正により、定款認証手続きを行う際、「法人成立時の実質的支配者に関する申告書」と「実質的支配者になる方の身分証明書の写し」も併せて認証を受ける公証役場の公証人へ提出する必要があります。そのため、実質的支配者になる方の身分証明書(運転免許証・マイナンバーカード等)の写しも一緒にお預かりします。

 

【3.電子定款認証手続き】

電子定款認証手続きに関する委任状へのご署名・ご捺印のご対応をしていただいた上、必要書類(電子定款認証・実質的支配者となるべき者の申告・会社設立登記等に関する各必要書類)をお預かりさせていただいた後、電子定款認証手続きをさせていただきます。

具体的には、まず、電子定款を作成させていただき、それをインターネット上で認証を受ける公証役場の公証人へ送信します。その後、公証役場まで足を運び、定款認証手続きをさせていただくことになります。

 

【ⅱ.電子定款認証の手続きに必要な書類と費用】

 

電子定款認証の手続きで必要となる書類・費用(定款認証手数料・実費等)の内容は、以下のとおりです。

 

【必要書類】

  • 発起人の方全員の印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
  • 発起人の方全員に署名、捺印(実印)等をしていただいた電子定款作成認証手続きの委任状

 

【費用(定款認証手数料等)】

定款認証手数料の金額は、設立する会社の「資本金の額等」の金額が基準となり、以下のとおり定められています。

資本金の額等 手数料額
100万円未満の場合 30,000円
100万円以上300万円未満の場合 40,000円
その他(300万円以上)の場合 50,000円

※定款認証手数料の金額の基準となる「資本金の額等」は、定款に「資本金の額等」が記載されていない場合、「設立に際して出資される財産の価額」が基準となります(定款に「設立に際して出資される財産の最低額」と記載されている場合、「資本金等の額」に該当しないため、定款認証手数料は50,000円になります。)。

 

※公証人手数料令の一部を改正する政令(令和6年政令第353号)が公布され、2024年(令和6年)12月1日から、定款認証手数料が30,000円(資本金の額等が100万円未満)のケースで、以下の3つの事項に該当する場合、定款認証手数料は15,000円とされました。

  • 発起人の全員が自然人(個人)であり、その人数が3人以下である場合
  • 定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記録(記載)がある場合
  • 定款に取締役会を設置する旨の記録(記載)がない場合

 

※定款認証時に定款の同一の情報の謄本を請求される場合、2通分で約2,000円の発行手数料がかかります。

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