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相続登記の手続きをする場合、被相続人(亡くなった人)の相続関係を証明するための戸籍を提出しなければならないのが原則です。たとえば、被相続人Aの相続人がB(Aの子)1名のみで、A所有の不動産をB名義へ移すための相続登記の手続きを行うには、Aの出生から死亡までの期間の戸籍とBの現在戸籍の提出が求められます。
しかし、状況によって、相続登記の手続きに必要な戸籍をすべて取得できないケースもあります。たとえば、請求対象の戸籍が保存期間の経過によって破棄処分されている場合です。現行法での戸籍の保存期間は、除籍・改製の翌年から150年となっていますが、2010年(平成22年)の改正前の除籍謄本の保存期間は80年とされていました。そのため、昔に除籍となった戸籍の中には、保存期間の経過によって、すでに破棄処分されているものも存在します。請求した戸籍がすでに破棄対象となっている場合、当戸籍の取得はできません。
また、昔の戦争による火災・震災などの自然災害で、役所に保存されていた戸籍が滅失している場合もあります。請求対象となる戸籍が滅失している時も、すでに破棄処分されている時と同様に取得できません。
上記のような事情にあたると、被相続人の相続関係を証明するための戸籍の一部を取得できないため、相続登記の手続きを進められないのではとも考えられます。しかし、このような場合でも、他の代替書類を提出して相続登記の手続きを行うことが可能です。被相続人の相続関係を証明するための戸籍の一部を取得できない場合の相続登記の手続き方法を示す通達が以前から出ていましたが、新しく出された通達によって、より簡易な形で手続きができるようになっています。
【昭和44年3月3日法務省民事甲第373号:従前の通達】
従前に出された「昭和44年3月3日法務省民事甲第373号」の通達では、相続登記の手続きに必要な戸籍の一部が破棄処分や滅失などで取得できない場合、取得可能な戸籍・除籍・改製原戸籍などの他、「破棄処分または滅失により除籍謄本を交付できない」旨の市区町村の証明書(破棄証明書・焼失証明書)および「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書付)を提出して、相続登記の手続きをする必要がある旨の見解が示されていました。
しかし、上記見解が出されてから50年以上経過する中で、「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書を提出することが難しい環境に置かれている方が出てくるようになりました。それに伴って、相続登記の手続きを進められないケースも増加しているという問題も発生してきました。
【平成28年3月11日法務省民二第219号:現通達】
「他に相続人はいない」旨の相続人全員による証明書の提出困難に伴って相続登記の手続きができない旨の問題の解消を図るため、2016年(平成28年)に「昭和44年3月3日法務省民事甲第373号」の通達の取扱を変更する内容の新しい通達が「平成28年3月11日法務省民二第219号」で出されました。
「平成28年3月11日法務省民二第219号」の通達では、取得可能な戸籍・除籍・改製原戸籍などに加えて、「破棄処分または滅失により除籍謄本を交付できない」旨の市区町村長の証明書(破棄証明書・焼失証明書)を提出すれば、相続登記をして差し支えないという見解が示されています。そのため、破棄処分や滅失などで被相続人の出生から死亡までの期間の戸籍の一部が取得できない場合、「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書付)を準備できなくても、取得可能な戸籍・除籍・改製原戸籍と破棄証明書・焼失証明書を準備できれば相続登記の手続きができるようになりました。
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