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相続登記の手続きにおいても、相続以外の不動産登記の手続きと同様に印鑑証明書の提供を求められる場合があります。相続登記の手続きで提供を求められる印鑑証明書は、「発行期限」、「原本還付の可否」などで、相続以外の不動産登記の手続きで提供を求められる印鑑証明書と異なるのが特徴です。
このサイトページでは、相続登記の手続きで提供を求められる印鑑証明書について解説していきます。
【ⅰ.遺産分割協議による相続登記で相続人の印鑑証明書の提供が必要】
相続登記の手続き方法には、「遺言書による相続登記」、「遺産分割協議による相続登記」、「法定相続による相続登記」の3つがあります。
上記のうち、一部の例外を除き、遺産分割協議による相続登記の手続きを行う際に印鑑証明書の提供を求められるのが通常です。当手続き方法によって相続登記を行う場合、遺産分割協議書を作成した上、当書類を登記手続きの際に提供しなければなりません。
不動産登記実務では、相続登記の登記申請人(不動産の名義人になる方)の印鑑証明書の提供は不要であるが、それ以外の相続人全員については、提供する遺産分割協議書に実印を捺印し、印鑑証明書も提供しなければならない旨の取扱がされています(登記研究141号・46頁)。上記不動産登記実務の取扱にしたがえば、遺産分割協議による相続登記の手続きの際には、登記申請人以外の相続人全員が提供する遺産分割協議書に実印を捺印し、併せて印鑑証明書も提供しなければならないことになります(登記申請人は、遺産分割協議書への捺印は認印ですればよく、印鑑証明書の提供も不要)。
一方、相続登記の手続きにおける遺産分割協議書と印鑑証明書の提供の要否について出された登記先例・通達(昭和30年4月23日民甲742号)では、遺産分割協議書を提供して相続登記の手続きを行う際、遺産分割協議をした者の印鑑証明書の提供を要する旨が示されており、「登記申請人を除く」とはされていません。そのようなことから、相続人全員が提供する遺産分割協議書に実印を捺印し、併せて印鑑証明書を提供するのが望ましいという見解も存在します。
遺産分割協議による相続登記の手続きで印鑑証明書の提供が求められるのは、当手続きで提供する遺産分割協議書という書類の真正を担保するためです。その趣旨から、遺産分割協議書には相続人全員の実印で捺印されているほうが好ましいと言えます。また、相続登記以外の相続手続き(例、預貯金や金融資産の相続手続き)をする時で遺産分割協議書を使用する場合、通常、相続人全員の実印による捺印がされた遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書の提供が求められます。
上記の点を踏まえると、相続人全員が実印で捺印した遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書を提供して、相続登記の手続きを行ったほうが無難です。
【ⅱ.相続登記で提供する印鑑証明書の発行期限はない】
不動産登記の申請手続きで提供を求められる印鑑証明書の中には、発行期限が設けられているものも存在します。たとえば、「売買」・「贈与」などを原因とする所有権移転登記の手続きを行う際に登記義務者(売主・贈与者など権利を失う立場で登記手続き上不利益を受ける人)が提供する印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内のものでなければなりません。
これに対して、相続登記の手続きの際に相続人が提供する印鑑証明書は、上記のような発行期限は設けられていません。したがって、発行から3ヶ月以上経過している印鑑証明書を提供して、相続登記の手続きをすることも可能です。
ただ、被相続人の相続財産の中に不動産以外の財産があり、相続登記以外の財産の相続手続きを予定されている場合は、できるだけ最新の発行日の印鑑証明書を用意しておいたほうがよいと言えます。なぜなら、不動産以外の財産の相続手続きを行う際に提供を求められる印鑑証明書の中には、発行期限が設けられているものもあるからです。たとえば、預貯金や金融資産の相続手続きを行う際に相続人などが提供する印鑑証明書は、発行から6ヶ月以内のものを求められるのが通常です。
→ 預貯金や金融資産の相続手続きの一般的な必要書類についてはこちら
【ⅲ.相続登記で提供する印鑑証明書は原本還付が可能】
相続登記の手続きの際に相続人が提供する印鑑証明書は、原本還付が可能なのも特徴です。原本還付とは、登記手続きを行う際に法務局へ書類の原本と写しを同時に提供し、手続き終了後に原本を返却してもらう手続きを言います。
「売買」や「贈与」などを原因とする所有権移転登記の手続きを行う際に売主や贈与者など権利を失う側の人が提供する印鑑証明書は原本還付ができませんが、その取扱とは異なります。
【印鑑証明書の原本還付の可否】
印鑑証明書を提供する登記手続きの種類 | 「売買」・「贈与」の所有権移転登記で提供する場合の印鑑証明書 | 相続登記で提供する場合の印鑑証明書 |
原本還付の可否 | 不可 | 可 |
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