〒350-1308 埼玉県狭山市中央三丁目6番G-206号
不動産の権利に関する登記申請を行うと、その手続きによって名義人になったり、権利を得たりした者に対して登記識別情報通知書が発行されます。登記識別情報通知書に記載されている登記識別情報は、不動産の権利に関する登記において、重要な登記関係の情報になります。
【ⅰ.登記識別情報とは】
登記識別情報とは、不動産および登記名義人となった申請人ごとに定められるアラビア数字とアルファベットが組み合わさった12桁の符号のことです。登記識別情報の内容により、当情報の通知を受けた登記名義人を識別することができるようになっています。そのような仕様になっていることから、登記手続きを登記名義人自身で行っているか否かを確認する(登記名義人の本人確認をする)趣旨で、一定の登記手続きを行う際に、登記名義人の登記識別情報の提供が求められています。
登記識別情報の制度は、登記原因証明情報と同様、2005年(平成17年)の不動産登記法改正によって設けられました。
上記改正以前は、登記によって権利を取得した者に対して登記済証(権利証)が発行されていました。しかし、上記改正法が施行されて以降、オンラインで登記申請が可能となった法務局から順次、登記済証(権利証)の発行に代えて登記識別情報が通知されるようになっています。
【ⅱ.登記識別情報の通知について】
登記識別情報は、不動産および登記名義人となった申請人ごとに定められ、登記を行うことにより、登記名義人となる申請人に対して通知される仕組みになっています(不動産登記法21条本文)。そのため、登記識別情報通知書は、不動産ごとに1通ずつ、登記名義人となった申請人ごとに1通ずつ発行されます。
以下の表は、不動産売買における登記識別情報の通知の具体例になります。
【不動産売買における登記識別情報の通知の具体例】
事例(№) | 不動産売買の当事者 | 売買対象の不動産 | 通知される登記識別情報の内容 |
№.1 | 売主A:買主B | a土地 |
計1通 |
№.2 | 売主A:買主B・C | a土地 |
計2通 |
№.3 | 売主A:買主B | a土地・b建物 |
計2通 |
№.4 | 売主A:買主B・C | a土地・b建物 |
計4通 |
たとえば、上記表の事例「№4」のように、BとCがAからa土地とb建物を購入して、a土地とb建物につき、それぞれB・Cの共有名義で登記手続きを行ったとします。このような場合、Bに対してa土地とb建物の登記識別情報が各1通、Cに対してもa土地とb建物の登記識別情報が各1通それぞれ発行され、合計4通の登記識別情報が発行されることになります。
【登記識別情報通知書の記載事項】
登記名義人となった登記申請人に対して通知される登記識別情報通知書には、登記識別情報の他、以下の事項が記載されています。
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【登記名義人になっても登記識別情報が通知されないケースもある】
登記識別情報は、登記手続によって登記名義人となった申請人に対して通知されます。そのようなことから、登記手続によって登記名義人になっても、当登記の申請人にならなかった者に対しては、登記識別情報は通知がされないので注意を要します。
(例:複数の相続人のうちの1人が、保存行為によって相続人全員の共有名義にする法定相続登記の申請手続きを単独で行った場合、申請人以外の相続人に対しては、登記識別情報が通知されません。)
→ 保存行為による法定相続登記・登記識別情報の不通知から発生する問題点についてはこちら
【ⅲ.登記識別情報の管理について】
発行される登記識別情報通知書そのものではなく、当通知書に記載されている情報(アラビア数字とアルファベットが組み合わさった12桁の符号)に価値があるという点が登記識別情報の大きな特徴になります。たとえ、登記識別情報通知書が本人の手元にあっても、その情報の内容を他の者に知られてしまった場合、登記識別情報が盗まれた状態となってしまいます。そのようなことから、登記識別情報を管理する際、登記識別情報通知書に記載されている情報が漏えいしないようにしなければなりません。
登記識別情報は、登記識別情報通知書の下側の部分に記載されていて、その場所には、折り込み式のカバーがつけられています。このカバーを剥がしてしまうと登記識別情報が露出した状態になってしまうので、この情報を提供しなければならないとき以外は、カバーを剥がさないで保管しておく必要があります。
仮に、登記識別情報通知書の下側のカバーを剥がしてしまい、他の者に登記識別情報を見られ、その内容を覚えられてしまったとします。このような場合は、法務局に申出をして登記識別情報を失効させることで対応することが可能です。
※2015年(平成27年)2月23日以降に順次、登記識別情報通知書の様式が折り込み式タイプのものに変更されましたが、変更前は登記識別情報が記載されている場所に目隠しシールが貼られているタイプのものでした。通知された登記識別情報通知書が目隠しシールタイプのものであっても、管理方法については折り込み式タイプのものと同様です。
【ⅳ.登記の際に提供する登記識別情報等と提供できない場合の対応方法】
不動産の権利を取得した登記名義人が、他の者へ売却したり、担保権を設定したりする際、それらの登記手続きを行う場合、権利を取得した時に通知された登記識別情報を提供するのが原則です。ただ、種々の事情により、登記識別情報を提供できない時もあります。このような場合は、どういう方法で対応すればよいのか問題となります。
2005年(平成17年)に改正不動産登記法が施行された後、オンラインによる登記申請が可能となった法務局が管轄となる不動産の権利を取得した者に対しては、登記名義人となった時に登記識別情報が通知されています。一方、2005年(平成17年)の改正不動産登記法が施行される前に、不動産の権利を取得した者は、登記名義人となった時に登記済証(権利証)の発行を受けているだけで、登記識別情報の通知を受けていません。後者のように登記済証(権利証)の発行を受けている登記名義人は、登記識別情報の通知を受けていないため、登記識別情報の提供を要する登記手続きを行う際、当情報を提供することができません。
このようなケースでは、登記識別情報の代わりに発行を受けている登記済証(権利証)を提供することによって、登記手続きを行うことができます。なぜなら、発行を受けている登記済証(権利証)を提供すれば登記識別情報を提供したとみなされるという取扱がなされているからです(不動産登記法附則7条)。
その他、登記手続きを行う際に登記識別情報を提供できないケースとして、発行された登記識別情報通知書をなくして登記識別情報を失念してしまったり、法務局へ申出をして登記識別情報を失効させたりした場合、があります。このような時は、代替手段の方法を利用して、登記手続きを行うことになります。
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