〒350-1308 埼玉県狭山市中央三丁目6番G-206号
農地の相続登記の手続きのご依頼を受ける際、その対象不動産に農工銀行名義の抵当権が設定されているケースも散見されます。農工銀行名義の抵当権が設定されている農地を相続した後に処分(売却)しようとする場合、農工銀行名義の抵当権設定登記を外しておかなければならないのが原則です。そのようなケースになることも想定した場合、できるうちに農工銀行名義の抵当権抹消登記の手続きをしておいたほうが好ましいと言えます。
農工銀行名義の抵当権は、明治・大正・昭和初期くらいの年月日で設定されているため、仮に当抵当権の被担保債権となっている借入が完済になっていたとしても、当時の抵当権抹消登記書類が残っている可能性はほぼ皆無です。そのようなことから、農工銀行名義の抵当権抹消登記は、通常の抵当権抹消登記の方法とは異なるイレギュラーな形で手続きを進めていかなければなりません。
農工銀行名義の抵当権抹消登記は、通常の抵当権抹消登記よりも手続き上のステップが多く、手間や時間がかかるのが特徴です。
【ⅰ.農工銀行について】
農工銀行とは、農工業の改良発達のための貸付を目的とした特殊銀行で、明治33年8月以降、北海道を除く全府県に各1行ずつ設立されました。
しかし、大正10年に日本勧業銀行と農工銀行の合併に関する法律が制定されて、その後、全国各地の農工銀行はすべて日本勧業銀行に合併されました。
農工銀行は、以下のような経緯をたどり、現在ではみずほ銀行がその権利義務を承継しています。
| ⅰ 大正10年から昭和19年の間にかけて各都府県の農工銀行が日本勧業銀行に合併される |
| ⅱ 昭和46年に日本勧業銀行が第一勧業銀行に銀行名を変更 |
| ⅲ 平成14年の銀行再編の際、第一勧業銀行がみずほ銀行に銀行名を変更 |
| ⅳ 平成25年にみずほ銀行はみずほコーポレート銀行に合併される |
| ⅴ ⅳの合併と同時にみずほコーポレート銀行はみずほ銀行へ銀行名を変更 |
【ⅱ.農工銀行名義の抵当権抹消登記手続き】
農工銀行の当時の権利義務は、みずほ銀行へ承継されています。そのため、農工銀行名義の抵当権抹消登記も、みずほ銀行へ連絡して手続きを進めていくことになります。
農工銀行の抵当権抹消登記の具体的な手続きの手順は、以下のとおりです。
【1.農工銀行の抵当権抹消登記書類の発行請求】
みずほ銀行へ連絡をした後、農工銀行名義の抵当権が設定されている土地の登記情報を提供した上で、抹消登記書類の発行を請求します。
請求を受けたみずほ銀行側は、提供した登記情報等の内容を確認した上で、抹消登記書類発行手続きのための書類(抵当権抹消依頼書 借用書)を出してくれます。
みずほ銀行側から発行してもらった「抵当権抹消依頼書」・「借用書」にそれぞれ必要事項を記載した上、2つの書類をみずほ銀行へ提出します。
【2.農工銀行の抵当権抹消登記書類の発行および受領】
抵当権抹消依頼書と借用書を提出後、みずほ銀行側で、農工銀行の抵当権抹消登記書類の発行手続きを進めてくれます。農工銀行からみずほ銀行への権利承継を証明する書類も準備することになるため、書類発行準備完了まで1週間から2週間程度かかるのが通常です。
書類が整ったら、みずほ銀行側からその旨の連絡があります。その後、みずほ銀行の店舗まで出向いて、書類を受領する形になります。
【3.農工銀行の抵当権抹消登記手続き】
みずほ銀行より、農工銀行の抵当権抹消登記書類を発行してもらった後、登記手続きを行います。農工銀行からみずほ銀行へ権利承継される過程で2回合併が行われています。そのようなことから、抵当権抹消登記の原因日付(借入の完済年月日)によっては、合併移転の登記をしてから、農工銀行の抵当権抹消登記の手続きをしなければならないケースも出てきます。
しかし、明治・大正・昭和初期くらいの時期の借入となるため、みずほ銀行側でも当借入の完済に関する記録はなく、正確な完済年月日を把握することができません。また、抵当権抹消登記の前に合併移転の登記をしなければならないとなると、みずほ銀行側も手続き費用を負担しなければならなくなります。
以上のような理由から、実務上では、みずほ銀行側で合併移転の登記が不要となる日付を登記原因日付にして、抵当権抹消登記の手続きをすることを認めてくれるのが通常です。したがって、農工銀行名義の抵当権抹消登記は、1件の申請で登記手続きを進められるようになっています。
ただ、みずほ銀行へ抵当権抹消登記書類の発行請求をしても、書類を紛失した時に抵当権抹消登記の手続きを行う時と同様、農工銀行の抵当権が設定された時に発行された登記済証は再発行してもらえません。
→ 手続きに必要な書類を紛失してしまった場合の抵当権抹消登記についてはこちら
そのため、農工銀行名義の抵当権抹消登記は、登記済証を提出できない時の代替の方法で手続きを進めていく必要があります。
具体的には、事前通知制度を利用して申請手続きを行います。
農工銀行名義の抵当権抹消登記は、事前通知制度を利用して手続きを行うため、通常の方法で登記手続きを行う時よりも、手続き完了までの時間が長くなります。特にみずほ銀行の本店所在地(東京都)から遠方の場所にある法務局へ登記手続きをする際には、申請受付から手続き完了まで2~3週間程度かかってしまうこともあります。
【ⅲ.当事務所での農工銀行名義の抵当権抹消登記手続き】
当事務所においても、農工銀行名義の抵当権抹消登記の手続きを受託させていただいております。当事務所の所在地(埼玉県狭山市)近辺の方だけではなく、遠方からのご依頼も承っております。
当事務所へ農工銀行の抵当権抹消登記のご依頼をいただいた際、以下の費用でお手続きをさせていただきます。
| 司法書士報酬 | 55,000円(税込) |
| 実費(登録免許税、書類発行手数料など) | 10,000〜15,000円程度 |
| 交通費 | 数千円〜 |
受託させていただいている事案にもよりますが、総額費用は70,000円前後になるのが通常です。
ただ、遠方所在地の土地が抵当権抹消登記手続き対象となる場合、交通費の金額が数万円単位になる可能性もございます(具体的な理由は、下記をご参照お願い致します。)。 このような場合、お手続き費用の額が上記よりも高くなります。
また、当事務所で農工銀行名義の抵当権抹消登記の手続きをさせていただく際、以下の点をご了承いただけますようよろしくお願い致します。
| 【1.抵当権抹消登記書類発行の際に手数料がかかります】 みずほ銀行から農工銀行の抵当権抹消登記に必要な書類を発行してもらう際、手数料(5,000円+消費税)がかかります。当該発行手数料は、ご依頼者の方のご負担となっております。 【2.通常の抵当権抹消登記手続きよりも完了まで時間がかかります】 農工銀行名義の抵当権抹消登記の手続きをさせていただくには、みずほ銀行側より必要書類を発行してもらう必要があります。みずほ銀行側における当手続きの取扱い数は、それほど多いというわけではございません。そのようなことから、みずほ銀行の担当者の方によっては、不慣れが原因で書類の準備に時間がかかってしまうケースもございます。 また、事前通知制度を利用して抵当権抹消登記の手続きをさせていただくので、その点でも時間がかかってしまいます。 ご依頼内容によっては、お手続きの受託から完了まで1カ月以上かかってしまう可能性もございます。したがって、お手続きを急ぎたいという方は、なるべく早めにご依頼いただいたほうが確実です。 【3.書類発行先の支店までの往復分の交通費が発生する場合もございます】 農工銀行の抵当権抹消登記書類の発行請求は、お手続き対象の土地の所在地を管轄するみずほ銀行の支店に対して行うのが原則です。 したがって、お手続き対象となる土地の所在地にあるみずほ銀行の支店まで出張させていただき、農工銀行の抵当権抹消登記書類を受領させていただかなければならないケースが出てくる可能性もございます。そのような場合、上記の基本手数料の他、現地までの往復分の交通費が別途発生いたします。
※近年では、当事務所の最寄りの店舗で農工銀行の抵当権抹消登記書類の発行請求のご対応をいただけることが多くなっております。 |
担当:佐伯(さえき)
受付時間:9:00~18:30
定休日:土日祝祭日
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親切・丁寧な対応をモットーとしております。お気軽にご相談ください。
(当事務所では、面談・電話・メール・LINE等の方法を問わず、無料によるご相談のみのご対応はしておりませんので、ご連絡いただく際にはご注意ください。)
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