NPO法人の「事務所の所在場所」は登記事項とされているため、主たる事務所だけではなく、従たる事務所の所在場所も登記することになります。NPO法人が従たる事務所を設置したり、移転したり、廃止したりした場合、従たる事務所の所在場所の内容に変更が生じるため、その都度、登記手続きをすることになります。 

 

【従たる事務所の設置の登記】 

 

NPO法人が初めて従たる事務所を設置する場合、設置した従たる事務所の所在地を定款に定める必要があるため、定款変更の手続きをしなければなりません。すでに従たる事務所を設置していて、追加で新たに従たる事務所を設置する場合も原則として同様です。

 

従たる事務所の設置を内容とする定款変更をする際、所轄庁の変更をともなう場合、所轄庁の認証を受ける必要があります。

 

たとえば、さいたま市に主たる事務所を置いていたNPO法人(従たる事務所はなし)が、さいたま市以外に従たる事務所を設置することになったとします。この場合、従たる事務所の設置により、一の指定都市の区域内のみに事務所が所在する状況ではなくなるため、所轄庁もさいたま市長から埼玉県知事に変更となります(NPO法9条)。そのため、従たる事務所の設置を内容とする定款変更につき、所轄庁の認証を受けなければなりません。

 

一方、埼玉県狭山市に主たる事務所を置いていたNPO法人(従たる事務所はなし)が、東京都に従たる事務所を設置することになった場合は、当内容とする定款変更につき、所轄庁の認証を受ける必要はありません。なぜなら、従たる事務所の設置前後において、所轄庁に変更は生じないからです。

→  NPO法人の所轄庁についてはこちら

 

従たる事務所の設置は、定款変更に係る社員総会の議決を経た上で、理事会の議決で設置する具体的な所在地や年月日を決定した後、登記を申請する形で手続きを行います。定款変更について、所轄庁の認証を要する場合、社員総会の議決を経た後、所轄庁の認証を受けた上で、登記をしなければなりません。 

 

所轄庁の認証申請書類を提出してから認証を受けられるまで、数ヶ月程度の期間を要します。したがって、所轄庁の認証を要する場合、従たる事務所の設置の登記も、手続き開始から完了まで、数ヶ月程度かかるのが通常です。

 

【従たる事務所の移転の登記】 

 

NPO法人の従たる事務所を移転する場合、定款に定めた事務所の所在場所に変更が生じるときは、定款変更の手続きが必要となります。従たる事務所の移転により、定款変更の手続きが必要となるか否かは、主たる事務所の移転のケースと同様です。  

→ 主たる事務所を移転する場合の定款変更の要否についてはこちら 

 

従たる事務所の移転を内容とする定款変更をする際、所轄庁の変更をともなう場合、所轄庁の認証を受ける必要があります。

 

たとえば、さいたま市に主たる事務所と従たる事務所を置いている(その他の場所に事務所はなし)NPO法人があるとします。上記NPO法人の従たる事務所をさいたま市以外の場所に移転することになった場合、一の指定都市の区域内のみに事務所が所在する状況ではなくなるため、定款変更を要する上に、所轄庁もさいたま市長から埼玉県知事への変更をともないます(NPO法9条)。そのため、従たる事務所の移転を内容とする定款変更につき、所轄庁の認証を受ける必要があります。

 

一方、埼玉県狭山市に主たる事務所、東京都に従たる事務所を置いていたNPO法人が、従たる事務所を東京都から埼玉県狭山市に移転する場合、所轄庁の変更はともないません。したがって、上記のケースでは、従たる事務所の移転を内容とする定款変更につき、所轄庁の認証を受ける必要はありません。

→ NPO法人の所轄庁についてはこちら

 

従たる事務所の移転の登記は、定款変更を要するか否かで、手続き方法が異なります。

 

定款変更を要する場合、従たる事務所の移転を内容とする定款変更に係る社員総会の議決を経た後、理事会の議決により、移転先の具体的な所在地を決定した上で、登記手続きを行います。従たる事務所の移転によって、所轄庁の変更をともなう場合は、定款変更に係る社員総会の議決を経た後、当定款変更について、所轄庁の認証を受けなければなりません。定款変更についての所轄庁の認証を要する従たる事務所の移転登記は、手続き開始から完了まで、数ヶ月程度かかるのが通常です。 

 

一方、定款変更を要しない場合、理事会の議決により、移転先の具体的な所在地を決定した上で、登記手続きを行うことになります。

 

【従たる事務所の廃止の登記】 

 

従たる事務所を廃止することにより、定款で定めた事務所の所在地の内容が変更となります。そのため、従たる事務所の廃止をする場合、定款変更の手続きをしなければなりません

 

また、従たる事務所の廃止を内容とする定款変更を行うことで、所轄庁の変更をともなう場合は、当定款変更について、所轄庁の認証を受ける必要があります。

 

たとえば、さいたま市に主たる事務所、東京都に従たる事務所を置いているNPO法人があったとします。NPO法人の所轄庁は、主たる事務所が所在する都道府県となるのが原則であるため、上記NPO法人は埼玉県知事が所轄庁になります。

 

しかし、東京都の従たる事務所を廃止すると、指定都市であるさいたま市の区域内のみに事務所が所在することになります。事務所が一の指定都市の区域内のみに所在する場合は、その指定都市の長が所轄庁になります(NPO法9条)。そのようなことから、上記のケースでは、さいたま市長に所轄庁が変更となるため、従たる事務所の廃止を内容とする定款変更について、所轄庁の認証を受けなければなりません。

→ NPO法人の所轄庁についてはこちら

 

従たる事務所の廃止は、定款変更に係る社員総会の議決を経た上で、理事会の議決で廃止を決定した後、登記をする形で手続きを行います。従たる事務所の廃止により、所轄庁の変更をともなう場合は、定款変更に係る社員総会の議決を経た後、当定款変更について所轄庁の認証を受けた上で、登記を行うことになります。定款変更について所轄庁の認証を受ける必要がある場合、手続き開始から登記完了まで、数ヶ月程度かかるのが通常です。

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