取締役、代表取締役などの会社の役員に就任したり、退任したりした場合、一定期間内にその旨の登記手続きをしなければなりません。


また、役員の登記事項に変更が生じたときも、その旨の登記手続きをする必要があります。

 

 

 取締役、代表取締役の選任時の登記】


取締役、代表取締役の選任等の場合の登記の添付書類は、以下のとおりとなります。
 

【ⅰ.取締役会設置会社の場合】

 

【取締役の選任】

  • 株主総会議事録(議長及び出席取締役の押印した印鑑についての印鑑証明書の添付は不要です。) 
  • 株主リスト   
  • 就任承諾書(押印した印鑑につき印鑑証明書の添付は不要です。)
  • 本人確認証明書(再任の場合は不要です。)

 

【代表取締役の選定】

  • 取締役会議事録(議事録に変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑と同一の印鑑を押印している場合を除き、議長及び出席取締役の押印した印鑑についての印鑑証明書の添付を要します。)
  • 就任承諾書(再任の場合を除いて、押印した印鑑につき印鑑証明書の添付を要します。)

 

ⅱ.非取締役会設置会社の場合】

 

【取締役の選任】

  • 株主総会議事録(取締役が各自代表の場合は議長及び出席取締役の押印した印鑑についての印鑑証明書の添付を要します。)
  • 株主リスト
  • 就任承諾書(再任の場合を除き押印した印鑑につき印鑑証明書の添付を要します。)

 

【代表取締役の選定】

代表取締役の選任を証する書面は、以下のとおりです。

 選任方法  内容
 各自代表の場合  取締役の選任と同じ
 定款に代表取締役を定める方法  定款又はその変更に係る株主総会議事録
 定款の定めに基づく取締役の互選  定款及び取締役の互選を証する書面
 株主総会の決議  株主総会議事録

 

※ 代表取締役の選任を証する書面に変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑と同一の印鑑を押印している場合を除き、議長及び出席取締役の押印した印鑑についての印鑑証明書の添付を要します。
 

上記の代表取締役の選任を証する書面の他、就任承諾書(就任承諾書に係る印鑑証明書の添付は不要)の添付が原則必要です。
 

また、2016年10月1日より、株主総会決議が必要な登記手続きを行う場合、株主リストの添付が義務付けられました。そのため、株主総会で取締役を選任したり、代表取締役を選定したりする場合にも、株主リスト添付する必要があります。
 

→ 株主リストについてはこちら

 

【取締役、代表取締役の退任の登記】

 

取締役、代表取締役は死亡、辞任、解任、任期満了、欠格事由に該当して資格喪失した場合等に退任することになるので、これらの事由が発生した場合は取締役、代表取締役の退任登記をすることになります。


 

【取締役、代表取締役の死亡】

→ 取締役、代表取締役の死亡による退任登記についてはこちら
 

【取締役、代表取締役の辞任】

→ 取締役、代表取締役の辞任による退任登記についてはこちら

 

【取締役、代表取締役の解任】

→ 取締役、代表取締役の解任による退任登記についてはこちら

 

【取締役、代表取締役の任期満了】

→ 取締役、代表取締役の任期満了による退任登記についてはこちら

 

【取締役、代表取締役の資格喪失】

→ 取締役、代表取締役の資格喪失による退任登記についてはこちら

 

任期満了、辞任によって退任をする場合において、取締役、代表取締役の員数が法令又は定款で定めた員数が欠けた場合は権利義務者となるので、新たに選任しなければ退任登記をすることができません。

→ 権利義務者についてはこちら

 

また、取締役の任期が満了となる定時株主総会において、その取締役が再選されて就任した場合、「重任」を原因として役員変更の登記手続きをすることが可能です。

→ 取締役改選の際に行う重任登記についてはこちら


 

【取締役の氏名(代表取締役の氏名、住所)の変更登記】
 

取締役、代表取締役の就任後、取締役の氏名(代表取締役の氏名または住所)が変更になった場合、その旨の登記をしなければなりません。

→ 株式会社の役員の住所と氏名の変更登記についてはこちら

 


2015年2月27日より、商業登記規則等が一部改正され、役員の変更登記の添付書類および役員の氏に関する記録の仕方が変更されています。 

→ 2015年の役員変更登記の改正についてはこちら

商号(社名)を変更するには、定款を変更する必要があるので、株主総会の特別決議を得る必要があります。
 

また商号(社名)を変更した場合には、本店、支店があるときは支店所在地の双方において変更の登記をする必要があります。

 

 

【変更後の定款における商号の留意点】

 

ⅰ.使用可能な文字等】

 

商号の登記に用いることができるのは、日本文字のほか、ローマ字その他の符号で法務大臣の指定するものに限られます。
 

ローマ字その他の符号としては、次のものがこれに該当します。

  • 【ローマ字(AからZまでの大文字及びこれらの小文字)】

 

ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り、当該単語の間をスペースによって区切ることができます。

 

  • 【アラビア数字(0123456789)】

 

  • 【「&」(アンパサンド)、「’ 」(アポストロフィ)、「, 」(コンマ)、「-」(ハイフン)、「.」(ピリオド)「・」(中点)】

 

これらの符号は、字句(日本文字を含む)を区切る際の符号として使用する場合に限り用いることができ、会社の種類を表す部分を除いた商号の先頭又は末尾に用いることはできません。ただしピリオドについては、省略を表すものとして、会社の種類を表す部分を除いた商号の末尾にも用いることができます。

 


ⅱ.商号の選定に関する制限】

 

株式会社は、その商号中に「株式会社」という文字(特例有限会社にあっては「有限会社」という文字)を用いなければなりません。銀行業、保険業、信託業等は、法令の規定によって、当該事業を営む者はその商号中に「銀行」、「生命保険」、「信託」等の文字を使用しなければなりません。また、公序良俗に反する商号は使用することができません。

 

ⅲ.同一商号・同一本店の禁止】

 

他の株式会社が既に登記した商号と同一の商号を用い、かつ、その本店の所在場所が当該他の株式会社の本店の所在場所と同一であるときは、登記することができません。
 

「同一の商号」とは、会社の種類を表す部分を含め、商号全体の表記そのものが完全に一致することをいいます。例えば漢字と平仮名のように読み方が同一であっても表記が異なるときは、同一の商号にあたりません。「同一の本店」とは、既に登記された他の会社の本店の所在場所と区分することができない場所に本店があることをいいます。
 

また、同一商号・同一本店の関係にない場合でも、不正の目的をもって他の会社と誤認されるおそれのある商号等を使用する者は、その侵害の停止又は予防の請求の訴えを提起されるおそれがありますので、注意する必要があります。
 

→ 類似商号の調査についてはこちら


 

【商号(社名)変更の登記手続】

 

商号(社名)変更の登記手続きの必要な書類は株主総会議事録が必要になります。
 

また、2016年10月1日より、株主総会決議が必要となる登記手続きを行う場合、株主リストの添付が義務付けられました。そのため、商号(社名)変更の登記手続きをする際にも株主リストを添付しなければなりません。
 

→ 株主リストについてはこちら

目的(事業内容)の変更は、定款変更する必要があるので、株主総会の特別決議を得る必要があります。

 

 

 

 

【変更後の定款における目的の留意点】

 

目的(事業内容)を変更するに当たって、以下の点に注意しなければなりません。

 

【ⅰ.具体性】

 

目的の具体性については、会社法が制定されてから類似商号規制が廃止されたこと、会社の権利能力の範囲を決する「目的の範囲内の行為」という基準は、定款に明示された目的自体に限られません。その目的を遂行する上で直接又は間接に必要な行為であればこれに含まれ、会社の目的を具体的に定める必要がないこと、具体性がない目的が定款に定められ、登記簿により公示されることに伴う不利益があったとしても自己責任として処理すれば足りることとすれば、具体的に目的を定める必要はなく、その具体性は登記の審査の対象にはなりません。

 

【ⅱ.明確性】

 

目的には明確性がなければなりません。「明確」とは、語句の意義が明瞭であり一般人において理解可能なことをいいます。

 

【ⅲ.適法性】

 

目的は強行法規又は公序良俗に反する事業の目的とすることはできません。また法令上、弁護士、司法書士、行政書士等の資格者に限り行うことができる事業については、資格者以外の者が目的とすることはできません。

 

.営利性】

 

株式会社は、その株主に対外的事業活動を通じて上げた利益を分配するものであり、目的には営利性が要求されます。したがって「政治献金」のように、当該会社において利益の取得する可能性の全くない事業は、これを会社の目的としての適格性を欠くことになります。

 

 → 目的(事業目的)の定め方についてはこちら



【目的(事業内容)の変更登記手続】

 

目的の変更登記の手続きに必要な書類は株主総会議事録です。
 

また、2016年10月1日より、株主総会決議が必要となる登記手続きを行う場合、株主リストの添付が義務付けられました。そのため、目的の変更登記の手続きを行うときも、株主リストを添付しなければなりません。
 

→ 株主リストについてはこちら
 

なお、定款中の目的として、複数の事業に掲げている場合において、その一部を変更したときでも、目的の全体が登記事項となっているため、目的の全体についての変更登記が必要です。

会社の本店は、登記事項となっています。そのため、会社の本店を移転した場合、一定の期間内にその旨の登記をしなければなりません。

ⅰ.本店移転の決議方法】

 

会社の本店所在地は、定款によって、最小行政区画の範囲内で定められるのが通常です。そのため、会社の本店移転によって、定款で定めた事項に変更が生じる場合、株主総会を開催して、定款変更決議をしなければなりません。 
 

その後、取締役会決議(非取締役会設置会社の場合は取締役の過半数の決定)によって、具体的な移転場所や移転時期を決めていきます。
 

これに対して、会社の本店移転をする際、定款変更が不要である(定款で定めた本店所在地の最小行政区画に変更がない場合)ときは、取締役会決議(非取締役会設置会社の場合は取締役の過半数の決定)のみで決定することができます。

 

ⅱ.本店移転の登記手続き方法】

 

本店移転の登記手続きは、移転先の法務局の管轄が移転前の法務局の管轄と同一か否かで申請方法が変わってきます。
 

管轄が同一であるときは、移転前の管轄の法務局に本店移転登記の申請をします。これに対して、管轄が異なるときは、移転前の所在地宛、移転後の所在地宛の2通の本店移転登記申請書を、移転前の管轄の法務局へ提出して申請手続きを行います。 
 

→ 管轄区域外への本店移転の登記と他の変更登記の同時申請についてはこちら

 

ⅲ.本店移転登記の必要書類】


本店移転登記の手続きには、以下の書類が必要になります。

 

同一管轄区域内の本店移転   他管轄への本店移転
  • 株主総会議事録(定款変更が必要な場合)
  • 株主リスト(定款変更が必要な場合) 
  • 取締役会議事録(非取締役会設置会社の場合は、取締役の過半数の一致を証する書面)
  • 委任状

【旧所在地宛】

 

  • 株主総会議事録(定款変更が必要な場合)
  • 株主リスト(定款変更が必要な場合)
  • 取締役会議事録(非取締役会設置会社の場合は取締役の過半数の一致を証する書面)
  • 委任状

 

【新所在地宛】

 

  • 委任状
  • 印鑑届出書

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