会社を設立する際、どの年月日を「会社設立日」にするかということは、経営者の方にとって非常に大切な決定です。会社設立日は、単なる手続き上の日付にとどまらず、会社の記念日(創業記念日)となる上、税金や決算期にも影響を与えます。

このサイトページでは、会社設立日の決め方と手続き上のルール等について詳しく解説します。

 

【ⅰ.会社設立日とは、「登記申請が受付された日」】

 

法律上の会社設立日は、原則として、「申請された会社設立登記が法務局で受付された日」になります。登記申請の方法には、「窓口申請」・「郵送申請」・「オンライン申請」がありますが、各登記申請の方法による会社設立日の違いは、以下のとおりです。

登記申請の方法 会社設立日
窓口申請 法務局の窓口に登記申請情報等を提出し、受付された日
郵送申請 郵送した登記申請情報等が法務局に到着し、受付された日
オンライン申請 送信された登記申請情報(登記申請データ)が法務局に到着し、受付された日(平日の17時15分以降および休日に送信した場合は、翌業務日に受付されます)

※「定款認証日や公証役場へ行った日」・「出資金の払込日」・「会社設立登記の完了日」等が会社設立年月日になるわけではありません。

 

【ⅱ.会社設立日の選択肢(平日・休日の取扱)】

 

従来、法務局の閉庁日である「土曜日・日曜日・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)」を会社設立日に指定することはできませんでした。

しかし、2026年(令和8年)2月2日から、商業登記規則等の一部を改正する省令(令和8年法務省令第2号)が施行され、一定の要件のもと、休日を設立日に指定する形で会社設立の登記手続きをすることができるようになりました(令和8年1月21日法務省民商第9号)。

 

休日を設立日に指定する形で会社設立の登記手続きをするための要件は、以下のとおりです。

  • 登記が会社の成立要件となる会社・法人であること
  • 指定する登記の日が行政機関の休日(※1)であること
  • 設立登記の申請を行う際に特定の日(行政機関の休日に限る)に登記することを求める旨および指定する登記の日を申請情報に記載すること
  • 指定する登記の日の直前の法務局の開庁日に設立登記の申請を行い、同日付で受付されたこと(※2)

 

(※1)行政機関の休日とは、「土曜日・日曜日・祝日・12月29日~翌年1月3日」のことを言います(行政機関の休日に関する法律1条第1項)。

(※2)登記申請の方法には特段の制限はないため、「書面申請」・「郵送申請」・「オンライン申請」のいずれの方法で設立登記の申請を行っても、上記の要件を満たせば、当特例の適用を受けることができます。

 

休日を設立日に指定する形で会社設立の登記手続きが可能になったことにより、休日と縁起のよいとされている日が重なる日を設立日に選択することができるようになりました。

 

【ⅲ.会社設立日の一般的な決め方】

 

各経営者方の考え等によって会社設立日の決め方は異なりますが、一般的に以下のような決定方法があります。

 

【縁起のよい日を選ぶ】

事業成功を祈願し、験を担ぐという意味で、縁起のよいとされる「大安」、「一粒万倍日」、「天赦日」等に該当する日を会社設立日に指定する経営者の方も一定数いらっしゃいます。

【思い入れのある日(記念日・ゾロ目等)を選ぶ】

経営者の方の誕生日、ゾロ目の日(例:7月7日、10月10日等)、あるいは事業のスタートにふさわしい季節の節目の日等を会社設立日に選ぶケースです。

【税制上のメリット(節税)を考慮して決める】

会社設立日と決算期の兼ね合い等により、以下のような節税効果の恩恵を受けられます。

【消費税の免税期間の最大化】

会社設立日を決算期の直後に設定することで、第1期の期間を長く(12か月弱)取ることができるため、その分消費税の免税を受けられる期間も長くなり、節税効果を受けられます。

【法人住民税の均等割額の節約】

法人住民税の均等割額は、会社の存在した期間が1年未満である場合、年額を12で除した後、会社が存在していた期間の月数を乗じて計算します。その際、事業を行った期間が1カ月を超える場合、1カ月未満の端数日数は切り捨てるというルールがあります。

したがって、会社設立日が月の途中(例:15日)の場合、その月の均等割が月割り計算でカウントされない(切り捨てられる)ケースがあり、数千円程度の節税になることがあります。

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