株式会社では、必ず株主総会を設置しなければなりません。株主総会で決議される事項のなかには、会社・法人登記の変更事項となるケースが多いです。したがって、会社・法人登記の手続きをするためには、株主総会についての理解が必要となります。

 

そこで、株主総会とはどのような会社の機関なのか、具体的にみていきます。

 

【ⅰ.株主総会とは】

 

株主総会とは、会社の実質的な所有者にあたる株主が集まって、会社に関する重要事項を決定するところです。株主総会では、主に会社の人事や経営に関する事項が決議されます。会社・法人登記の手続きにおいて、株主総会の決議事項のなかで主に関連してくるのは、役員の選任決議および定款変更の決議です。

 

→ 役員の選任決議および定款変更の決議に関する会社・法人登記についてはこちら

 

株主総会には、定時株主総会と臨時株主総会の2つの種類があります。前者は、毎事業年度の終了後、一定の時期に招集しなければならない株主総会です。事業年度は、原則として1年を超えることができません。そのため、定時株主総会は、1年に1回以上開催されることになります。

 

これに対して、後者は、必要に応じていつでも招集できる株主総会になります。

 

【ⅱ.株主総会の決議事項と決議要件】

 

【株主総会の決議事項】

 

株主総会の決議事項は、会社に取締役会が設置されているか否かでその内容が変わってきます。

【取締役会が設置されている会社】

 

取締役会が設置されている場合、株主総会において、法令に関する事項および定款に定めた事項に限り、決議することが可能です。(会社法295条②)

 

【取締役会が設置されていない会社】

 

取締役会が設置されていない会社の場合、株主総会において、会社に関する一切の事項について決議できます。(会社法295条①)

 

【株主総会の決議要件】

 

株主総会の決議要件は、以下のとおりとなっています。

【普通決議】

 

議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(定款で別段の定めをすることが可能)が出席し、その出席した株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合)の賛成が必要。

 

(主な決議事項:株主総会の議長の選任、定時総会で行う計算書類の承認

 

【普通決議(役員に関する事項)】

 

議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合は、その割合)が出席し、その出席した株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合)の賛成が必要。

 

(主な決議事項:取締役の選任

 

【特別決議】

 

議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合は、その割合)が出席し、その出席した株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合)の賛成が必要。

 

※  定款の定めにより、一定数以上の株主の賛成を要する旨などを設けることも可能

 

(主な決議事項:定款変更

 

【特殊決議(会社法309条③)】

 

議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合以上)、かつ、当該株主の議決権の3分の2以上(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合)の賛成が必要。

 

(主な決議事項:譲渡制限の定めの設定

 

【特殊決議(会社法309条④)】

 

総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合以上)かつ総株主の議決権の4分の3以上(これを上回る割合を定款で定めた場合はその割合)の賛成が必要。

 

(主な決議事項:株主ごとに異なる取扱いをする旨の定款変更

 

【ⅲ.株主総会の招集手続き】

 

株主総会を開催するには、株主総会の招集手続きをしなければならないのが原則です。株主総会の招集は、取締役(取締役会が設置されている会社は取締役会)が総会の議題や開催時期などを決定した後、取締役が行うと規定されています。(会社法296条③、298条)ただ、実際は代表取締役(社長)が株主総会を招集する旨を定款で定めている会社が多いです。

 

また、株主総会の招集通知の発送時期も会社法で規定されています。株主総会の招集通知は、株主総会の日の2週間前までに発しなければならないのが原則です。ただ、非公開会社(譲渡制限の定めのある会社)の場合は、株主総会の日から1週間前までに発すればよいことになっています。

 

さらには、非公開会社で、かつ、取締役会が設置されていない会社の場合、定款の定めにより、招集時期を株主総会の日から1週間より短い期間の日とすることも可能です。それから、株主全員の同意があれば、招集通知を発することなく株主総会を開催することができます。

 

【ⅳ.株主総会の開催場所】

 

定款に株主総会の開催場所の規定が定められている場合、その場所で開催する必要があります。しかし、定款にその旨の定めがないときは、株主総会の招集の決定をする際、適宜開催場所を決めることが可能です。

 

会社法改正前の旧商法には、本店所在地またはこれに隣接する地で開催しなければならない旨の規定がありました。しかし、会社法にはこのような規定はないので、それ以外の場所でも株主総会を開催することができます。

 

ただ、過去に株主総会を開催したいずれの場所とも著しく離れた場所で開催する場合、原則として株主総会の招集の決定のときにその理由を明らかにしなければなりません。

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