株式会社の役員の住所と氏名の変更登記

株式会社の取締役に就任すると氏名が登記され、代表取締役に就任すると氏名と住所が登記されます。その後、さまざまな事由で役員の氏名や住所に変更が生じた場合、その旨の登記手続きをしなければなりません。

 

 

 

【@.住所と氏名の変更登記が必要となる場合】

 

 

株式会社の取締役または代表取締役である方が結婚をしたり、養子縁組をしたりして氏が変更になったとしましょう。このようなときは、取締役または代表取締役の氏名変更の登記をします。それから、株式会社の代表取締役の方が、就任後に転居して住所が変わった場合、住所変更の登記が必要です。

 

また、転居以外にも株式会社の代表取締役の住所変更登記が必要になるケースもあります。それは、住居表示の実施や変更、行政区画の変更にともなう地番の変更によって住所変更が生じたときです。ただ、地番変更をともなわない行政区画の変更の場合は、住所変更の登記をする必要はありません。なぜなら、その旨の登記がないときでも、法律上変更登記があったものとみなされるからです。(商登法26条)

 

 

 

【A.登記をしないと過料を命じられる可能性がある】

 

 

役員が辞任したり、任期満了により退任したりした場合、基本的に役員の変更登記を忘れてしまうことはあまりないでしょう。ですが、役員の住所や氏名が変更になったとき、その登記手続きをしないままにしてしまうことが多いです。会社の代表者や担当者によっては、登記しなければならないことを知らない方もいます。

 

役員の住所や氏名が変更になった場合、その旨の変更登記をしないと過料を命じられる可能性があります。会社の登記事項に変更が生じたとき、2週間以内に本店所在地においてその変更登記をしなければなりません。(会社法915条1項)役員の住所や氏名も会社の登記事項に含まれます。もし、上記の変更登記をしないと、100万円以下の過料に処すると法律で定められているため注意が必要です。(会社法976条)

 

役員の住所や氏名の変更登記を怠って過料の対象になった場合、どのくらいの金額の支払いを命じられるのかはケースバイケースです。裁判所側が、登記を怠った期間などを総合的に判断して過料の額を決めています。一般的に登記義務が発生してから手続きをしなかった期間が長いと、それだけ過料の額も大きくなると考えられます。

 

そのようなことから、株式会社の「取締役の氏名」および「代表取締役の住所、氏名」に変更が生じて登記義務が発生した場合、速やかに手続きをしたほうがよいでしょう。

 

 

 

【B.株式会社の役員の住所と氏名の変更登記の必要書類】

 

 

株式会社の役員の住所と氏名の変更登記をする場合、必要書類は登記委任状のみです。ただ、役員の変更後の住所や氏名を住民票や戸籍の記載どおりに登記しなければなりません。そのため、住所変更の場合は住民票、氏名変更の場合は戸籍を用意する必要があります。

 

また、2015年に役員変更登記に関する改正が行われ、婚姻により役員の氏名変更登記をする際、婚姻前の氏も登記するよう申出をすることができるようになりました。この場合、婚姻により氏が変更になったことを証明できる戸籍を提出しなければなりません。

 

→ 役員変更登記に関する改正についてはこちら

 

 

それから、住居表示の実施や変更、行政区画の変更にともなう地番の変更で代表取締役の住所変更の登記をする場合、以下の書類も準備したほうがよいでしょう。

 

  • 市町村長の証明書
  • 住居表示の実施等にかかる住居番号決定通知書


役員の住所と氏名の変更登記をする際、原則3万円(資本金の額が1億円以下の会社は1万円)の登録免許税を納付しなければなりません。しかし、上記の書類を添付して代表取締役の住所変更の登記をすれば、登録免許税が課されなくなるからです。

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