株式会社の設置機関のなかの1つに取締役会があります。取締役会で決議された事項においても、株主総会で決議された事項と同様、会社・法人登記の変更事項になる場合が少なくありません。(取締役会が設置されている会社の代表取締役の選定や本店移転の決議など)

 

→ 会社の代表取締役の選定の登記についてはこちら

 

→ 本店移転の登記についてはこちら

 

そのため、会社・法人登記の手続きをする際、取締役会についての理解も必要です。

 

そこで、取締役会とはどのような機関なのかについて具体的にみていきます。

 

【ⅰ.取締役会とは】

 

取締役会とは、株式会社の業務執行の意思を決定する機関です。具体的には、株主総会で選任された取締役3名以上が集まって、会社の業務執行に関連する事項を決議していきます。

 

会社法制定前の旧商法において、株式会社は必ず取締役会を置かなければなりませんでした。しかし、会社法制定後では、株式会社の機関設計の内容によっては、取締役会の設置は任意となっています。そのため、中小規模の会社のなかには、取締役会を置いていないところも少なくありません。

 

一方、公開会社(譲渡制限が定められている会社以外の会社)など一定の機関設計の株式会社は、取締役会を置かなければなりません。また、会社を上場させるための条件として、申請日の一定年数前より、取締役会を設置して継続的に事業活動していることが求められています。

 

【ⅱ.取締役会の権限】

 

取締役会は、以下の職務を行う権限を有しています。

  • 取締役会が設置されている会社の業務執行の決定
  • 取締役の職務の執行の監督
  • 代表取締役の選定、解職

 

また、会社法上、決議事項として明記されているものについても、取締役会に決定権限があります。

 

取締役会の決議で決定する業務のなかには、取締役へ委任できるものもありますが、「重要な財産の処分および譲受」、「多額の借財」など会社の重要な業務執行の決定については取締役会で決議しなければなりません。会社法上、取締役会の決議事項とされているものの決定についても、取締役に委任できません。

 

【ⅲ.取締役会の決議要件】

 

取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(定款でこれを上回る割合を定めることは可能)が出席し、その過半数(定款でこれを上回る割合を定めることは可能)をもってすることになります。取締役会の決議要件を定款で別段の定めをする場合、会社法上で規定されている定足数(最低出席議決権数)よりも軽減することはできません。この点、定足数を定款の定めにより軽減できる株主総会の決議とは異なります。

 

→ 株主総会の決議要件についてはこちら

 

また、取締役会の定足数の算定基準は、「議決に加わることができる取締役」とされていますが、これは現時点の取締役(取締役の権利義務者を含む)をいうのが原則です。

 

→ 取締役の権利義務者についてはこちら

 

ただ、取締役が亡くなったり、解任されたりして、現時点での取締役の人数が法律または定款に定める最低人数より少なくなってしまうケースも考えられます。

 

→ 取締役の死亡による退任登記についてはこちら

 

→ 取締役の解任による退任登記についてはこちら

 

このような場合、法律または定款で定める最低人数が取締役会の定足数の算定基準となります。

 

それから、取締役会で決議される事項において、特別な利害関係を有する取締役(例 取締役会で代表取締役の解職の決議をする際の当該代表取締役)は、その決議に加わることができません。そのため、特別な利害関係を有する取締役は、取締役会決議の定足数にも算入されないことになります。

 

【ⅳ.取締役会の招集手続き】

 

取締役会を開催するためには、招集手続きをしなければならないのが原則です。取締役会の招集手続きは、各取締役が招集する旨の規定が会社法で定められています。(会社法366条①本文)ただ、定款または取締役会で招集手続きを行う取締役を定めている場合、その取締役が招集することになります。(会社法366条①但書)会社のなかには、社長である代表取締役を取締役会の招集権者として定款に定めているケースが少なくありません。そのため、実際には、代表取締役が取締役会を招集しているのが通常です。

 

取締役会の招集手続きは、取締役会を開催する日の1週間前までに、各取締役に対して通知することによって行わなければならないのが原則です。招集通知の期間は、定款の定めにより、1週間より短くすることができます。また、監査役設置会社(業務監査権限を有する監査役がいる会社)の場合、その監査役に対しても招集通知を発送しなければなりません。(会社法368条①)

 

上記の規定にかかわらず、取締役(監査役設置会社の場合は取締役および監査役)全員の同意があるとき、招集手続きを省略して取締役会を開催できます。(会社法368条②)

 

【ⅴ.取締役会の開催場所】

 

取締役会の開催場所に関する規定は特にありません。取締役や監査役は取締役会に出席するのが困難となるような場所ではないかぎり、どこで開催しても構いません。

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